『ローレライ』
前回の続きになりますが、押さえきれずに・・・というところではあるが、これをテレビ局主導の映画でやれたのは奇蹟だと、興行の実際を学んだ今はつくづく思う。
ひたすら登場人物を追い、エモーショナルな要素の描出に徹した本作は、だから戦争映画ではなく、「ばらばらな個人が一致団結した瞬間に生まれる奇蹟」を描いた映画になった。
それは東宝、フジテレビ、作り手たちがそれぞれの色を主張しながら、結局は誰の色にも染まらず、全員で作り上げたと自負できる作品になったこととも無縁ではあるまい。
今は無理でも、十年後にはそんな記憶を喚起してくれるだろう「映画」として、『ローレライ』のDVDは棚の一画に収まっています。